
この記事で分かること
- 継続か整理かを決める前に相談できる
- 期限と手元資金を先に伝える
- 法律・事業・会計の相談先を使い分ける
「会社を続けられるか分からない。でも、破産を決めたわけではない」。その段階でも相談できます。法的な整理や債権者対応は法人案件を扱う弁護士へ、事業の立て直しは中小企業活性化協議会などへ、目的に応じて相談先を選びます。
最初から答えを出して訪ねる必要はありません。現在の資金、近い期限、会社の債務と資産を伝え、何を確認すれば判断できるかを相談するところから始められます。
会社をたたむか迷ったときの相談先
| 相談先 | 主に相談すること | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 法人案件を扱う弁護士 | 破産等の法的整理、債権者・契約への対応、代表者保証 | 法人対応の可否、相談日、料金、持参資料 |
| 中小企業活性化協議会 | 収益力改善、再生、廃業・再チャレンジ等の方向 | 対象企業、所在地の窓口、予約方法 |
| 税理士・会計担当者 | 決算・試算表、税務資料、入出金の把握 | どの資料が、いつ取得できるか |
| 金融機関 | 借入条件、返済条件変更等 | 取引状況と必要資料。法的整理の相談も必要なら弁護士と連携 |
中小企業活性化協議会は各都道府県に設置され、秘密を守って相談に対応する公的な支援機関です。第一次段階の窓口相談は無料ですが、その後の外部専門家の活動等では費用の一部負担があると案内されています。会社の手続きの状況や保証人としての相談かどうかを伝え、利用対象を確認してください。協議会への相談と、弁護士への申立代理の依頼は同じものではありません。
弁護士に心当たりがなければ、弁護士会の中小企業向け窓口が入口になります。ひまわりほっとダイヤルの案内などから地域の受付方法・相談料を確かめてください。
こういう期限があるなら、予約時に先に伝える
相談資料を完璧にそろえるより、期限を伝えることを優先したい場面があります。
- 給与、家賃、仕入、税・社会保険等の支払日が近く、資金が足りない。
- 裁判所から訴状・支払督促・差押えに関する文書が届いた。
- 明渡しや契約解除の期限を告げられている。
- 近く大きな入金・出金・資産の売却・新しい借入を予定している。
- 受注済みの仕事を履行できるか、従業員をどうするか判断が迫っている。
「借金が多いです」だけでは緊急度が伝わりません。実際の相談先には、文書の種類と期限、支払いの期日を具体的に伝えます。この記事の閲覧だけで、支払いや裁判上の期限が延びることはありません。
初回相談までに、分かる範囲で4つを整理する
1. いつ、どれだけ資金が足りなくなるか
現預金、近い入金、支払予定を分けます。確定している入金と、期待しているだけの入金を混ぜないようにします。数字が分からないところは、未確認と書いて構いません。
2. 誰に、何の債務があるか
銀行の借入だけでなく、買掛金、家賃、税・社会保険、未払賃金、代表者からの借入等を確認します。争いがある請求も、そのまま説明します。
3. 会社にはどんな資産・契約があるか
売掛金、在庫、設備、車、不動産等を整理します。所有物とリース・預かり品を区別し、賃貸借や継続取引の契約も用意します。整理するために先に物を捨てる必要はありません。
4. 代表者個人の保証・借入があるか
会社の債務と代表者の債務は別です。個人保証や個人名義の借入は、契約書で確認します。会社の破産だけで個人の問題も自動的に終わるわけではありません。
印刷用の相談準備シートを使って記入できます。詳細な持参物と、不足している場合の進め方は初回相談の書類チェックリストにまとめました。
費用が心配でも、残高と予定を伝えて相談する
法人破産では、弁護士費用と裁判所関係の費用、その他の実費を分けて考えます。会社の規模・契約・資産・申立先などで変わるため、広告の最低額だけでは総額を判断できません。
最初の問い合わせで相談料を確認し、相談では「今ある資金」「これからの入出金」「費用を支払える見込み」を伝えます。費用が貯まるまで待った結果、状況が変わることもあるため、足りないこと自体を相談事項にしてください。
法人破産の費用の記事では、東京地裁の2026年の公表額を例に、費用の内訳と見積で聞くことを整理しています。全国共通の最低費用を示すものではありません。
なお、法テラスの民事法律扶助は法人等の団体を対象者に含めていません。代表者個人の問題については、収入・資産等の条件や事件の内容を分けて確認します。
初回相談で聞いておきたいこと
- 会社の状態を判断するために、あと何の情報が必要ですか。
- 継続や再生の方法を検討する余地はありますか。破産等との違いは何ですか。
- 直近の支払・営業・契約・関係者への連絡は、どう進めればよいですか。
- 代表者個人の保証や借入は、別にどんな検討が必要ですか。
- 依頼した場合の業務範囲、費用、支払時期、今後の日程はどうなりますか。
相談後は、決まったことと、追加資料が必要でまだ判断できないことを分けてメモします。相談しただけなのか、代理人としての業務を正式に依頼したのかも確認してください。
依頼先を選ぶ段階なら、弁護士選びの7つの確認項目を使えます。
いま知りたいことから、次の記事へ
| 知りたいこと | 詳しく読む |
|---|---|
| 総額と支払時期を把握したい | 法人破産の費用・足りない場合の相談 |
| 誰に依頼するか比べたい | 法人破産の弁護士の選び方 |
| 相談に何を持っていけばよいか | 必要書類と準備チェックリスト |
| 依頼した後が想像できない | 相談から終了までの流れ・期間 |
| 社長も自己破産が必要か知りたい | 法人と個人の債務・手続きの分け方 |
| 相談前の支払いや片付けが心配 | 資産・支払・記録の注意点 |
よくある疑問
相談したら必ず破産を勧められますか
相談すること自体で破産が決まるわけではありません。継続・再生を含め、何を検討できるかを聞けます。ただし、実際に利用できる方法は会社の状態によります。「破産したくない」という希望と、資金・期限などの事実の両方を伝えてください。
相談したことは取引先に知られますか
弁護士法23条は、職務上知った秘密を保持する義務等を定めています。ただし、相談後に依頼し、通知や申立てを行う段階では関係者へ情報が伝わる場面があります。相談の秘密と、手続き全体を誰にも知られず進められることは区別し、連絡先・郵送先も含めて相談先へ確認してください。
自分だけで会社を閉めれば、借金もなくなりますか
営業をやめることと、債務を整理することは別です。廃業届や解散の手続きだけで、すべての債務問題が解決するわけではありません。債務・資産・契約を整理して、どの手続きが必要かを相談します。
書類がなくても予約してよいですか
不足の内容を伝え、まず手元の資料で相談できるかを確認できます。期限が近い場合は、書類を待つより、その期限を先に伝えてください。
判断をひとりで完成させてから行く必要はない
相談前に用意するのは、破産すべきかどうかの結論ではなく、判断に必要な事実です。まず相談準備シートに分かることと不明なことを書き、会社の状況に対応できる相談先へ伝えるところから始められます。
参照資料と確認日
2026.09.17に確認。制度・費用・地域ごとの取扱いは変更されることがあります。本文中のリンクは該当する説明の出典です。


